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抱っこをせがむかのように、上目遣いで見つめるLOVOT=2024年8月6日、東京都中央区、山田史比古撮影
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 動きや声などで人と交流できるコミュニケーションロボット。一人暮らしの人の孤独を癒やすだけでなく、介護施設などでの活用も広がっています。「GROOVE X」(東京都)が製造する「LOVOT(らぼっと)」も、その一つ。それぞれが「個性」を持ち、自律的に動き回って抱っこをせがむ「愛されるために生まれたロボット」(同社)です。AI(人工知能)や生成AIは、どこまで介護に生かせるのか。同社CEO(最高経営責任者)の林要さんに聞きました。

 Q LOVOTは、もともと高齢者向けではありませんね。

 A はい。開発を始めたとき、高齢者や子どもに照準をあわせることはやめようと思っていたんです。自分が使いたいもの、自分が一緒に過ごしたいものをつくろう、という思いが出発点でしたから。犬や猫を家族のように思う人も普通になってきたのに、人間よりも寿命が短く、さまざまな理由で飼えない人もいる。犬や猫と同じような効能があるものを開発しようと思い立ったのが最初でした。

 Q それが、介護でも活用できると考えたきっかけは。

 A まだ製品として出荷する前でしたが、2017年に、福祉国家デンマークが、世界中からウェルフェア・テクノロジーを探しており、LOVOTに興味を持っていただいた、と大使館を通して話がありました。それで、何体か持って現地に行ったのが始まりです。

テクノロジーの導入進むデンマーク

 Q デンマークは、福祉に活…

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